正社員になる方法としての派遣の活用

雇用期間の定めがない正社員は、安定雇用の定番として認識されている。
一方、非正規雇用として派遣は誰にでも出来る単純作業を行なう作業員として、安い人件費と求人費用で使える点から広く雇用環境では活躍の場が広がっている。

中には専門性が高く、社員を上回る報酬で働く人も登場しており、似たように見える雇用環境にあっても待遇に違いが出ている現状がある。
正社員として新卒採用を行っても、3年以内の離職率の高さは人事部を常に悩ませる問題だ。
採用時には分からない雇用のミスマッチが発生しているために、入ってみたらイメージが違ったり仕事に耐えられず退職してしまう人が後を絶たないからである。

そこで、紹介予定派遣という制度が求人部門では徐々にではあるが普及している。
予め決めた6ヶ月程度の期間、派遣社員として出向先で仕事を行い、出向先の会社も契約期間満了迄に正社員として採用しても良いか仕事ぶりを見ながら判断できるわけだ。
初期導入研修が長くかかる業種や、専門性が極めて高い業種については、互いに働きぶりと仕事内容を体験してから正式に決める方式が雇用のミスマッチを防ぐ制度としてしっくり来るわけである。

人事部にとっても、中途採用募集にかかる経費だけでなく手間を節約出来る上に、契約期間内で直接雇用に切り替えるかどうかは、会社と労働者側の両方の合意があった場合のみとすることで、互いにしこりを残さない工夫がされている点が注目に値するだろう。
正式採用とならないかった場合にも、労働者側は他の出向先でまた働きながら会社を見定めれば良いわけである。